代用有価証券FX歴4年のネコキングです。
代用有価証券(株券担保サービス)とは
代用有価証券とは、現金の代わりに有価証券を担保にして株式やFXの取引をできるというサービスです。
保有している現物株式・投資信託(一般型)を信用取引(制度・一般)、指数先物取引・指数オプション取引、外国為替証拠金取引(auカブコム FX)における保証金/証拠金の代用証券として活用することが可能です。
auカブコム証券ホームページより引用
なお、業者によっては株券担保サービスと表現していますが同じ意味です。
株の信用取引で活用されることの多いサービスですが、一部の証券会社等では代用有価証券でFXをすることができます。
つまり、現金がなくても保有している株式を担保にFXをすることができるのです。
auカブコム証券ホームページより引用
FXといえばハイレバ取引をイメージする方が多いと思いますが、投機的な取引は推奨できません。
リスクをとって短期的に大勝ちは狙うような取引はせず、コツコツ利益を重ねるような安定した手法で取引をしましょう。
僕は手動トラリピをおすすめしています。
代用有価証券FXのメリット
代用有価証券でFXをすることのメリットは次のとおりです。
- 資金効率に優れている
- 株式の信用取引と違って決済期限はない
それぞれ解説していきます。
代用有価証券FXは資金効率に優れている
代用有価証券でFXをすることの最大のメリットは資金効率に優れていることです。
運用パフォーマンスが格段にアップします。
例えば、100万円の資金で株式投資とトラリピをする場合、通常は次のような運用になります。
通常の100万円運用の例
- 50万円分の株式を購入
- 50万円の資金でFXを運用
これが通常です。
代用有価証券を活用した場合は次のようになります。
代用有価証券を活用した場合
- 100万円の株式を購入
- その株式をFXの代用有価証券にする(証拠金としての評価額は70%の70万円となる)
- 70万円の資金でFXを運用
単純計算で資金効率が170%に上がってますね。
僕はこの代用有価証券を使って手動トラリピを運用しています。
これが手動トラリピ×代用有価証券です。
そもそも手動トラリピは、トラリピよりも運用コストが割安でパフォーマンスに優れています。
その手動トラリピに代用有価証券を掛け合わせて運用すれば、さらに資金効率を上げることが可能です。
現金を保有するより、株式を保有した方が資産が増えるという考え方を前提としています。
長期的に見た場合、現金の価値は下がり続け、株式の価値は上がり続けています。
個別株を買うのに抵抗がある人はインデックス投資がおすすめです。
インデックスとは、日経平均やNASDAQなどの「指数・指標」のことをいいます。
インデックス投資とは、特定の指数と連動した値動きを目指す投資方法です。
ETF(上場投資信託)を代用有価証券にすれば、インデックス投資×手動トラリピをすることができます。
株式を代用有価証券としても、配当や株主優待は通常どおり受け取れます。
代用有価証券FXは株の信用取引と違って決済期限はない
これは、株式を代用有価証券とする場合、つまり株式の信用取引をする場合と比較してのメリットになります。
株式の信用取引をする場合には、返済期限といって、建玉を決済する期限が設けられます。
この返済期限は、信用取引の種類によりますが、最短で当日中、最長で6カ月となっています。
株式の信用取引もFXもどちらも証拠金取引であり、代用有価証券として株式を担保に取引できるという点も一緒ですが、FXの場合には決済期限というようなものはありません。
もしFXに決済期限があったとしたら、トラリピのような運用手法は困難なものとなります。
株式を代用有価証券とするなら、株式の信用取引よりFXの方が明らかに有利です。
代用有価証券FXのデメリット
代用有価証券FXにもデメリットはあります。
弱点も理解した上でパフォーマンスの最適化を目指しましょう。
- 担保掛目が70%と低い
- ショック相場時にダブルパンチ
- 株式の売却に制限が掛かる場合がある
それぞれ解説していきます。
代用有価証券FXの担保掛目は70%
代用有価証券は、株式の時価そのままの金額が証拠金となる訳ではありません。
担保掛目といって、あらかじめ定められた割合で目減りした金額で評価されます。
代用有価証券をFXの担保とする場合の担保掛目の割合はどの業者も70%です。
ちなみに信用取引の担保とする場合の掛目は80%ですから、代用有価証券FXの方が厳しく評価されてしまいます。
手動トラリピの設定を組む際などは、この目減り分も計算に入れ、資金管理を行いましょう。
代用有価証券FXはショック相場時にダブルパンチ?
世界的な恐慌が起きた際には株価の暴落が起きますが、為替も激しく変動します。
特に、クロス円の通貨ペアは暴落する可能性が高いと言えます。
安全資産である円が買われるためです。
実際に、2008年のリーマンショック時や、2020年のコロナショック時には円高になりました。
つまり、ショック相場時に、代用有価証券としている株の暴落で証拠金が目減りし、さらに為替の暴落で含み損が増えるという展開が予想されるわけです。
こういった場合であっても、ロスカットされることのないよう、代用有価証券でFXをする際には、通常のFXよりさらに資金管理を徹底する必要があります。
ロスカットとは、預けている証拠金以上の損失が出ないようにするため、損失が一定水準に達した時点でポジションが強制決済されるルールです。
代用有価証券FXは株式の売却に制限が掛かる場合がある
代用有価証券にしている株式は、売却に制限が掛かる場合があります。
例えば、auカブコム証券では、代用有価証券にしている株式は売却することができません。
株式を売却する際は、代用有価証券から保護預り(単に証券会社に預けている状態)に振り替えなければ、売却できないのです。
つまり、代用有価証券のみを証拠金としてFXをしている場合にその株式を売却したい場合には、
- FXのポジションを精算してから株式を売却する
- 現金や別の株式を証拠金に差し入れる
このどちらかが必要になるということです。
そもそも手動トラリピは長期運用が必須ですので、手動トラリピ×代用有価証券をする場合には、長期保有する株式で行いましょう。
やはり個別株投資よりインデックス投資がおすすめです。
代用有価証券の売却ルールは証券会社により異なります。
例えばDMMFXでは、代用有価証券としている株式も売却でき、その売却金額が自動的にFXの証拠金に組み入れられるというシステムになっています。
代用有価証券FXがおすすめな人=手動トラリピをする人
代用有価証券FXがおすすめな人は、ずばり、手動トラリピをする人です。
そもそも、FXで万人におすすめできるのは、リピート系取引を用いた安定運用だけです。
しかし、トラリピなどのリピート系自動売買サービスは沢山ありますが、代用有価証券と組み合わせられるリピート系自動売買サービスは限られます(現状はマネーパートナーズの連続予約注文のみ)。
※僕はマネーパートナーズは運用コスト等の関係で運用していません。
ですので、代用有価証券FXがおすすめな人は手動トラリピをする人ということになります。
具体的には次のような場面で代用有価証券が活躍するはずです。
- 株式を持っている人が手動トラリピを始める場合
- 手動トラリピで現金証拠金に余裕がある場合
それぞれ簡単に解説します。
株式を持っている人が手動トラリピを始める場合
これから手動トラリピを始める人が株式を持っている場合は、その株式を手動トラリピの資金(の一部)にできます。
具体的には、株式をDMM証券やauカブコム証券に移管した上で、その株式を代用有価証券としてFXの証拠金にし手動トラリピをするのです。
移管とは、預けている株式等を別の証券会社に移すことです。
他の証券会社や金融機関にお預けになっている上場株式やETF・ETN・REITなどは、「証券保管振替機構(ほふり)」を利用した移管手続で、当社へお預け入れが可能です。auカブコム証券ホームページより引用
投資において資金は多ければ多いほど良いので、すでに株式を持っている人が手動トラリピを始める場合には、その株式も資金に組み入れましょう。
手動トラリピで現金証拠金に余裕がある場合
手動トラリピは、資金に応じた設定を組んで運用を開始するものですが、その運用中は証拠金に余裕がある場面がほとんどです。
そのような場合には、FXの証拠金としている現金の一部を一旦証券口座に振り替えて株式購入し、購入した株式を代用有価証券としてFXの証拠金にすることをおすすめします。
手動トラリピの資金を株式投資の資金にも流用するイメージです。
別々に資金を用意するより、格段に資金効率が上がります。
リスクを取り過ぎるのは厳禁ですが、守りすぎるのも資金効率の観点からはおすすめできません。
- トラリピ資金の一部を代用有価証券にする
- トラリピの決済利益で株式を購入し代用有価証券にする
代用有価証券FXのおすすめ業者はauカブコム証券とDMMFX
代用有価証券でFXができる業者はいくつかありますが、僕のおすすめはauカブコム証券とDMMFXです。
以下、理由を解説します。
代用有価証券FXができる業者
代用有価証券でFXができる業者は多くなく、次の4つのみです。
- auカブコム証券
- SBI証券
- マネーパートナーズ
- DMM FX
どの業者も一長一短ですが、手動トラリピをするならauカブコム証券かDMMFXがおすすめです。
このブログでは、運用規模が1000万円以下ならauカブコム証券を、1000万円を超えるようならDMMFXを推奨しています。
ちなみに僕は元々SBI証券で代用有価証券×手動トラリピを運用していましたが、2020年にauカブコム証券に引っ越し、2022年4月からはDMMFXでも運用しています。
手動トラリピ×代用有価証券にauカブコム証券をおすすめする理由
代用有価証券FXをするのにauカブコム証券をおすすめする理由は2つあります。
1つ目の理由は、auカブコム証券なら1000通貨単位で取引できるためです。
トラリピは、運用資金が少ないうちは1000通貨単位で設定を組むのがおすすめです。
なぜなら、複数通貨ペアで運用することによりリスクを分散させるべきだからです。
1万通貨単位で設定を組み、しかも複数通貨ペアを運用するとなると1000万円以上の資金が必要になるのです。
2つ目の理由は、auカブコム証券の代用有価証券の運用ルールが手動トラリピに向いていることです。
代用有価証券で1000通貨単位のFXができる業者は、auカブコム証券のほかにSBI証券があります。
しかし、SBI証券では、月末時点でFXに含み損があると、含み損の金額以上の現金入金が必要になります。
これでは、代用有価証券でFXができるメリットが半減です。
特に手動トラリピの場合は、含み損を抱えながら利益を重ねるというロジックの手法ですから、このルールとの相性は最悪です。
これに対して、auカブコム証券やDMM証券なら、FXに含み損があってもその損失以上の評価額の代用有価証券を保有していれば追加の入金を求められるということはありませんので、手動トラリピに向いているのです。
手動トラリピ×代用有価証券にDMMFXをおすすめする理由
もうひとつのおすすめ業者はDMMFXです。
こちらをおすすめする理由は単純に運用コストが優れているから。つまり、スワップとスプレッドが優秀なのです。
運用パフォーマンスを上げるために本件トラリピではなく手動トラリピをやっているわけですので、パフォーマンスの最適化を目指すとスワップとスプレッドが優秀な業者に行きつきます。
前述のauカブコム証券は、数あるFX業者の中ではスワップポイントが優秀とは言い難い水準です(本件トラリピのマネースクエアに比べればかなり良心的ではありますが。。)
最初はauカブコム証券での1000通貨運用やDMMFXのデモトレードで手動トラリピに慣れることをおすすめします。
そして、手動トラリピにも慣れ、資金が1000万円を超えてくるようであればDMMFXでパフォーマンスの最大化を目指すべきでしょう。
まとめ
この記事では代用有価証券でFXをすることについて解説しました。
- 株式を担保にFXができる(代用有価証券FX)
- 代用有価証券FXは資金効率に優れている
- 代用有価証券FXをする場合は資金管理が超重要
- 代用有価証券は長期保有する株式でやるべし
- 代用有価証券FXするなら手動トラリピ
- 1000通貨運用のおすすめ業者ははauカブコム証券
- 10000通貨運用のおすすめ業者はDMMFX
それでは良い代用有価証券FXライフを!